はじめに
機械部品の結合というと「ボルト・溶接」を真っ先に思い浮かべますが、接着剤・圧入・焼きばめなども重要な接合方法です。
それぞれの接合方法の特徴を知っておくことで、設計の選択肢が広がります。
接合方法の分類
【分解可能な接合(可逆接合)】
ボルト・ナット、クランプ、スナップフィット
→ メンテナンス・交換を前提とした場所に使う
【分解不可(または困難)な接合(不可逆接合)】
溶接、接着、圧入、焼きばめ、リベット
→ 一度組み立てたら外さない前提の場所に使う
接着剤の種類と使い方
【嫌気性接着剤(アナエロビック)】
代表例:ロックタイト(Loctite)
特徴:
・空気がない状態(金属間に挟まれた状態)で硬化する
・ボルトの緩み止め・管継手のシールに使われる
種類:
・低強度(青):分解可能な緩み止め
・中強度(青/緑):通常の緩み止め
・高強度(赤):強固な固定・分解には加熱が必要
設計での注意:
→ 活性金属(鉄・銅)で硬化が促進される
→ 不活性金属(ステンレス・アルミ)では硬化が遅い
→ 樹脂・陽極酸化アルミには使えない場合がある
【エポキシ接着剤(2液混合型)】
特徴:
・高強度・高耐熱
・金属・樹脂・セラミックなど異種材料の接着に使える
・硬化後は非常に硬く脆い面がある
活用場面:
→ インサートナットのない樹脂部品へのナット固定
→ 異種材料の貼り合わせ
【シリコーン系(シーリング・防水)】
柔軟性があり、温度変化・振動に強い
→ ケースの合わせ面の防水シール
→ ガスケット代替
圧入と焼きばめ
【圧入(Press Fit)】
公差を利用して、軸をハウジングに押し込む接合方法
使用例:
・軸への軸受の固定
・ピンの取り付け
・プーリー・ギヤへの軸固定
設計のポイント:
→ 軸とハウジングの嵌め合い公差(JIS B 0401)を設計に反映する
→ 圧入力計算で必要な圧入荷重と保持力を確認する
【焼きばめ(Shrink Fit)】
ハウジングを加熱(または軸を冷却)して膨張させ、
自然冷却で圧入する方法
使用例:
・大きな締め代が必要な場合
・大型の軸受・ギヤホイール
設計のポイント:
→ 加熱温度は通常100〜200°C程度
→ 焼きばめ後の寸法変化(膨張量)を計算に入れる
→ 圧入と同様に嵌め合い公差を設計に反映する
接合方法の選択基準
選択基準:
分解が必要か?
YES → ボルト・クランプ
NO → 溶接・接着・圧入・焼きばめ
振動・衝撃荷重があるか?
YES → 溶接・圧入・焼きばめ(接着は補助的に使う)
異種材料の接合か?
YES → エポキシ接着・ボルト・リベット
精度が必要か?
YES → 圧入・焼きばめ(溶接は熱変形で精度が出にくい)
軽量化・外観重視か?
YES → 接着・リベット・スナップフィット
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