🌎 Read in English — Mechanical Design articles for global engineers

マイクロキャダムの基本操作——2D設計の現場流儀

実務ノウハウ

はじめに

機械設計の現場では、3D CADが普及した現在でも2D CADは現役です。

「マイクロキャダム(Micro CADAM)」は、製造業の現場で長く使われてきた2D CADです。

操作体系がAutoCADとは大きく異なるため、初めて触れると戸惑う部分があります。

この記事では、マイクロキャダムを使い始めた設計者向けに、現場で毎日使う基本操作を解説します。

マイクロキャダムの特徴

マイクロキャダムは、もともとメインフレーム時代のCADをPCに移植した製品です。

そのため、操作体系が独特で、他のCADからの移行者が最初に戸惑うポイントがいくつかあります。

“`

【マイクロキャダムの特徴】

・コマンド体系がメニュー選択ベース

→ ツールバーをクリックするより、コマンドを入力・選択する操作が多い

・要素の選択方法が独特

→ 「先にコマンド、後で要素を選ぶ」流れが基本

・レイヤー(層)管理が重要

→ 線種・用途ごとにレイヤーを分ける運用が一般的

・2Dに特化した高精度な図面作成

→ 大型・複雑な図面の管理に強い

“`

基本操作①:線を描く

“`

【直線を描く手順】

1. 描画メニュー → 直線(またはコマンド入力)を選択

2. 始点をクリック(または座標を入力)

3. 終点をクリック(または相対座標で指定)

【座標入力のコツ】

絶対座標:X,Y の値をそのまま入力(例:100,50)

相対座標:@を付けて入力(例:@200,0 → 現在地から右に200mm)

角度指定:@長さ<角度 で入力(例:@150<45 → 45度方向に150mm)

【水平・垂直線の確実な描き方】

オルソモード(直交制限)をオンにすると、

水平・垂直方向にしか線が引けなくなる

→ 斜め線のミスを防ぐために、不要なときはオンにしておく

“`

基本操作②:円・円弧を描く

“`

【円を描く手順(中心・半径指定)】

1. 描画メニュー → 円 → 中心・半径 を選択

2. 中心点をクリック

3. 半径を入力またはクリックで指定

【円弧を描く手順(3点指定)】

1. 描画メニュー → 円弧 → 3点 を選択

2. 始点 → 通過点 → 終点の順にクリック

【現場でよく使うシーン】

穴の投影図:中心線(一点鎖線)と外径円(実線)を組み合わせる

フィレット:角の丸みを円弧で描く

“`

基本操作③:要素の修正

“`

【トリム(切断・削除)】

1. 修正メニュー → トリム を選択

2. 切断したい線(削除する側)をクリック

3. 切断境界となる線が自動認識される

→ 「交点を超えた余分な線を消す」操作

→ 作図の後処理として最もよく使う

【延長】

1. 修正メニュー → 延長 を選択

2. 延長したい線の端点に近い側をクリック

3. 延長先の境界線をクリック

【移動・コピー】

1. 修正メニュー → 移動(またはコピー)を選択

2. 対象要素を選択(複数選択は範囲指定またはCtrl+クリック)

3. 基準点をクリック

4. 移動先の点をクリック(または移動量を入力)

“`

基本操作④:レイヤー管理

マイクロキャダムでは、レイヤーの使い分けが図面の品質に直結します。

“`

【よく使うレイヤー分けの例】

レイヤー01:外形線(実線・太線)

レイヤー02:隠れ線(破線)

レイヤー03:中心線(一点鎖線)

レイヤー04:寸法線・寸法補助線

レイヤー05:注記・テキスト

レイヤー06:図枠・表題欄

【レイヤー操作】

現在のレイヤーを変更:レイヤーコントロール → 番号を入力

レイヤーの表示/非表示:レイヤーの目玉アイコンをクリック

特定レイヤーを編集不可に:ロックアイコンをクリック

“`

社内のレイヤー標準がある場合は、最初に確認して合わせることが重要です。

基本操作⑤:寸法記入

“`

【寸法記入の手順(長さ寸法)】

1. 寸法メニュー → 長さ寸法 を選択

2. 寸法を付ける2点をクリック(または線を選択)

3. 寸法線を置く位置をクリック

【直径・半径寸法】

直径:円の中心または輪郭をクリック → 「φ」が自動付与される

半径:円弧をクリック → 「R」が自動付与される

【公差の付け方】

寸法をダブルクリック → 寸法プロパティを開く

→ 上の偏差・下の偏差を入力

→ または公差記号(H7, h7など)を入力

“`

現場での使い方:時短のコツ

“`

【よく使うショートカット系の操作】

・直前のコマンドをリピート:Enterキー(またはスペース)

・コマンドのキャンセル:Escapeキー

・全体表示に戻す:ズームAll コマンド

・拡大表示:ズームWindow → 範囲を指定

【作業効率を上げる習慣】

□ よく使うコマンドをメニューバーにカスタマイズする

□ 図面の保存は「上書き」ではなくリビジョン管理で行う

□ 作業中は定期的に保存する(自動保存の間隔を確認する)

“`

マイクロキャダムを使い続けるための一言

マイクロキャダムは、「慣れると速い」CADです。

最初は操作に迷うことも多いですが、コマンドの構造を理解すると、繰り返し作業の効率が上がります。

分からないコマンドはヘルプまたは先輩に確認しながら、まず毎日使う10操作を完璧に覚えることから始めてください。

*設計×現場ラボ|機械設計の実務知識を、現場目線で発信しています。*

コメント

タイトルとURLをコピーしました