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板金部品の設計ポイント——曲げ・穴・コーナーの基本

板金部品の設計ポイント——曲げ・穴・コーナーの基本 実務ノウハウ

はじめに

板金部品は、機械設計の現場で非常によく使われる部品カテゴリーです。

「板を切って・曲げて・溶接する」というシンプルな加工でありながら、設計のちょっとした違いで加工コストが大きく変わるのが板金設計の特徴です。

この記事では、板金部品を設計するときに押さえておくべき基本ポイントを解説します。

板金加工の主な工程

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材料(鋼板・ステンレス板・アルミ板)

展開設計(フラットな状態での形状を決める)

切断(レーザー・プレス・シャーリング)

穴あけ・切欠き(プレス・レーザー)

曲げ(プレスブレーキ)

溶接・組み立て(必要に応じて)

表面処理(塗装・めっきなど)

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設計者はこの工程を理解した上で図面を描くと、加工者に伝わりやすい設計になります。

曲げ設計の基本

最小曲げ半径

板金を曲げるとき、内側に「曲げ半径(内R)」が必要です。

最小曲げ半径は材料の板厚によって決まります。

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【目安(一般鋼板の場合)】

板厚t 最小内R(目安)

1mm 0.5〜1mm

2mm 1〜2mm

3mm 2〜3mm

原則:内R ≧ 板厚 × 1倍 以上が加工しやすい

(材料・工具によって変わるため、加工先に確認を)

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曲げ近くの穴・切欠き

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曲げ線から近すぎる位置に穴があると、

曲げ加工時に穴が変形する。

【穴の最小距離の目安】

穴の端から曲げ線まで:板厚 × 2 + 曲げ内R 以上が必要

例:板厚2mm、内R2mmの場合

穴端から曲げ線まで = 2×2 + 2 = 6mm以上

□ この距離を確保しているかを必ず確認する

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穴設計の基本

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【最小穴径の目安】

穴径は板厚以上が基本。

板厚より小さい穴は、金型が折れるリスクがある。

例:板厚2mmなら穴径は最低2mm以上

(精度が必要な穴はドリル加工・後処理で対応)

【穴同士の最小間隔】

穴間の距離:穴径 × 2 以上

穴端から端面まで:穴径 × 1.5 以上

これより狭いと、穴と穴の間の材料が薄くなり変形しやすい

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コーナーの設計

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【外コーナー(突き合わせ部)】

板金を箱形に組む場合、コーナー部の処理が必要:

切欠き(Relief)を入れる:

曲げ線の端に小さな穴や切欠きを入れることで

材料の干渉を防ぐ

タブ(Tab)と溝(Slot)の組み合わせ:

組み立て位置決めのためにタブ&スロットを設計に入れると

溶接・組み付けが正確になる

【内コーナーのR】

レーザー切断後、内コーナーには工具径相当のRがつく。

Rなしのシャープなコーナーが必要な場合は別加工が必要。

→ 設計では内コーナーに最低0.5mm程度のRを入れるのが基本

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板厚と材質の選択

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【よく使う板金材料】

材料 特徴 よく使う板厚

SPCC 冷間圧延鋼板 / 安価・加工性◎ 0.8〜3.2mm

SPHC 熱間圧延鋼板 / 厚板に使用 2.3〜9mm

SUS304 ステンレス / 耐食性◎ 0.5〜3mm

A5052 アルミ合金 / 軽量・耐食 0.5〜3mm

【板厚選択の目安】

カバー・パネル類:0.8〜1.6mm

構造・フレーム類:2.3〜3.2mm

強度が必要な部位:3.2mm以上または構造変更を検討

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図面に書くべき情報

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板金部品の図面に必要な情報:

□ 展開図(フラット状態の形状・穴位置)

または 曲げ後の形状と全ての曲げ指示

□ 材質・板厚(例:SPCC t2.0)

□ 曲げ方向・曲げ角度(通常90°だが、明示する)

□ 曲げ内R(省略する場合は一般公差に含める)

□ 溶接指示(溶接箇所がある場合)

□ 表面処理(塗装色・防錆処理など)

□ バリ取り・エッジ処理の指示(必要な場合)

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まとめ:板金設計でコスト削減に貢献する

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板金コストを上げる設計(避けるべき):

✕ 最小曲げ半径より小さいR指定

✕ 穴が曲げ線に近すぎる

✕ 加工できないほど小さい穴径

✕ シャープな内コーナー(追加加工が必要になる)

板金コストを下げる設計(目指すべき):

✓ 標準板厚・標準材料を選ぶ

✓ 同じ曲げ方向でまとめる(金型段取りが減る)

✓ 穴サイズを統一する(工具本数を減らす)

✓ 展開形状をシンプルにする(歩留まりが上がる)

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