はじめに
欧州向けの機械・装置を設計・製造する場合、CEマーキングが求められます。
「CEマーキングは輸出担当の仕事」と思われがちですが、設計段階から適合性を意識しないと、後で大きな設計変更が必要になります。
この記事では、機械設計者が知っておくべきCE規格の基礎を解説します。
CEマーキングとは
CEマーキング(CE Marking):
欧州連合(EU)の安全基準を満たした製品に付ける表示。
→ 欧州市場に製品を出荷するために必要
→ 「欧州の安全基準に適合してい���」ことの宣言
対象となる製品指令の代表例:
・機械指令(Machinery Directive 2006/42/EC)
→ 駆動部を持つ機械・装置が対象
・低電圧指令(LVD 2014/35/EU)
→ 電気機器が対象
・EMC指令(2014/30/EU)
→ 電磁適合性(電磁ノイズ関係)
機械指令(Machinery Directive)の概要
機械指令が適用される機器:
・動力源(電気・油圧・空気圧等)を持つ機械
・可動部を持つ機械(産業ロボット・プレス機・コンベヤ等)
機械指令への適合に必要なこと:
①リスクアセスメントの実施
→ 機械のすべての危険源を洗い出し、リスクを評価・低減する
②基本的安全衛生要求事項(EHSR)への適合
→ 機械指令 Annex I に規定された要件を満たす
③技術ファイル(Technical File)の作成
→ 設計図・計算書・試験結果・リスクアセスメントのまとめ
④適合宣言書(Declaration of Conformity)の作成
→ 製造者が適合を宣言する文書
⑤CEマーキングの貼付
機械設計者が意識すべき安全設計の要点
【機械指令 Annex Iの主な要求事項(設計関連)】
①危険区域へのアクセス防止
→ 可動部・挟まれ部への誤接触を防ぐガード・インターロックの設計
②非常停止機能
→ 操作者が緊急時に機械を即座に停止できる装置の設置
→ 停止後は再起動操作なしに動き出さない設計
③安定性の確保
→ 通常使用・輸送・保守時に転倒しない構造
④騒音・振動の低減
→ 設計段階でのノイズ対策・振動源の低減
⑤エルゴノミクス(人間工学的設計)
→ 操作パネルの配置・操作力・作業姿勢への配慮
設計段階でのCE対応チェックポイント
□ この機械は機械指令の適用範囲に入るか確認した
□ リスクアセスメントを実施した(または計画している)
□ 危険区域には適切なガード・インターロックを設計した
□ 非常停止スイッチを適切な位置に設置した
□ 安全要求仕様(SRS)を制御設計者と共有した
□ 騒音・振動の設計目標値を設定した
□ 取扱説明書・警告ラベルの要件を確認した
□ 技術ファイルに含める文書(設計図・計算書等)を準備している
【CE対応の実務】
実際には CE 認証コンサルタント・試験機関と協力して進める。
設計者の役割は「設計段階から安全要求を意識すること」と
「技術ファイル用の設計資料を適切に準備すること」。
*設計×現場ラボ|機械設計の実務知識を、現場目線で発信しています。*



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