はじめに
「設計が完成したら仕事が終わり」ではありません。
図面通りに作られた試作品が、設計の意図通りに動くかを確認する工程が試作・試験です。
設計者はこの工程を「お任せ」にするのではなく、段取りから結果の解釈まで主体的に関わることが求められます。
試作の目的を明確にする
試作を始める前に「何を確認したいか」を決めます。
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【試作の目的の種類】
形状確認:
「この形状が実際に作れるか」「干渉がないか」を確認する
→ 精度よりも形を確認することが目的
→ 簡易素材(樹脂・アルミ)でも可
機能確認:
「設計した機能が正常に働くか」を確認する
→ 実際の材料・加工方法で作る
→ 荷重・圧力・温度など実使用条件に近い状態で試験する
強度確認:
「設計した強度・耐久性が確保されているか」を確認する
→ 破壊試験・疲労試験・加速試験が含まれることがある
量産性確認:
「この設計が量産ラインで問題なく作れるか」を確認する
→ 加工難易度・歩留まり・工程能力を確認する
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試作依頼のポイント
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【試作依頼時に明確にすること】
□ 試作の目的(何を確認したいか)
□ 試作数量(何個必要か)
□ 納期(いつまでに必要か)
□ 材質・表面処理(本番と同じか、代替でよいか)
□ 加工精度(本番と同じか、簡易でよいか)
□ 優先事項(納期優先か、精度優先か)
【よくある失敗】
目的を明確にせず「とりあえず試作して」と依頼する
→ 加工者が何を優先して作ればよいか分からない
→ 試作品が届いてから「これでは確認できない」という事態になる
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試験の準備
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【試験計画書(簡易版)に書くこと】
① 試験の目的
「何を確認するための試験か」
② 試験条件
「どんな条件で試験するか」
例:荷重、回転数、温度、試験時間、繰り返し回数
③ 合否判定基準
「何をもってOKとするか」
例:5000時間後に漏れが発生しないこと
最大荷重1.5kNに対して変形量1mm以下
④ 計測方法
「何をどうやって測るか」
例:ダイヤルゲージで変位を計測、目視でき裂を確認
⑤ 記録方法
試験中に何をノートに記録するか
→ この計画書を事前に関係者で確認することで
「試験してから判定基準を議論する」を防げる
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試験中の設計者の役割
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【試験中に設計者がやること】
予想した挙動と実際の挙動を比較する:
→ 「計算通りに動いているか」を観察する
→ 予想外の動きがあれば原因を考える
データを記録する:
→ 試験条件・計測値・時刻を記録する
→ 異常が発生した瞬間の状況を詳細に記録する
→ 写真・動画を残す
早期発見・早期対応:
→ 「なんか様子がおかしい」と思ったら試験を止めて確認する
→ 壊れるまで続けることが目的ではない場合は、早めに判断する
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試験結果の解釈と設計への反映
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【結果の解釈パターン】
パターン①:合格(想定通り)
→ 設計根拠の記録を残す(「○○条件で合格確認済み」)
→ 次の試作・量産に向けた懸念点を整理する
パターン②:不合格(想定以下の結果)
→ 失敗の原因を分析する(設計ミスか、加工ミスか、試験条件ミスか)
→ 設計変更の方向性を決める
→ 再試作・再試験の計画を立てる
パターン③:想定外の破壊・不良
→ 現物(破断面・変形箇所)を保管する
→ 原因分析に必要な情報を集める(破断面の観察、寸法確認)
→ 急いで廃棄・解体しない
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まとめ:試作・試験は設計の「検証」
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試作・試験のゴールは「合格させること」ではなく
「設計の妥当性を確認すること」です。
不合格の試験結果は「失敗」ではなく「情報」。
その情報をもとに設計を改善する機会です。
設計者としての関わり方:
□ 試作依頼時に目的を明確にする
□ 試験計画書を事前に作る
□ 試験中は現場に立ち会い(または報告を受けながら)観察する
□ 結果を記録・分析して設計に反映する
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*設計×現場ラボ|機械設計の実務知識を、現場目線で発信しています。*



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