軸受けの選定は、若手機械設計者がもっとも誤魔化しがきかない技術領域のひとつだ。「とりあえず深溝玉軸受で」と言いたくなる気持ちは分かる。私自身、1社目のころは深溝玉軸受6204/6205だけで世界が完結していた。だが20年現場にいて、いまでは「深溝で済ませた結果、半年後に焼きついた」「無給油メタルにしておけば年に一度の給脂作業がゼロだった」という光景を何度も見てきた。本記事は、装置設計の現場で軸受けを選ぶときに、私が頭の中で回している判断軸を整理したものだ。教科書的な動定格・静定格の計算式は他に譲り、ここでは「どの種類を、どの場面で、なぜ選ぶか」に集中する。
私は機械設計の現場に20年いて、いまは大手メーカーに外部設計者として常駐している。担当するのは搬送装置・検査装置・治具・小型自動機などで、軸受けに関わらない設計はほとんどない。本記事で扱うのは、ボール(玉軸受け)・ベアリングユニット・無給油ブッシュ・メタル(平軸受)・油含浸軸受の5系統だ。ローラーベアリングやスラストベアリングはまた別の機会に。
- 軸受けの大分類——転がり軸受けと滑り軸受け、装置設計者の頭の整理
- 深溝玉軸受(ボール)——基準形としての6000系、現場で多用する型番と特徴
- ベアリングユニット——架台に直付けできる完成品、UCP・UCF・UCFL系の使い分け
- 無給油ブッシュ——オイレスブッシュ・ドライメットST・iglide系、樹脂と複合材の世界
- メタル(平軸受・滑り軸受)——ホワイトメタル・ケルメット・特殊銅合金、低速高荷重の世界
- 油含浸軸受(オイレスSL系・焼結含油軸受)——小型モータ・家電・低荷重の定番
- 軸受け選定で最初に決めるべき4つの設計判断軸
- 軸受け部の取付構造——ハウジング・嵌合・予圧・止め輪の実務
- 軸受け寿命計算——L10寿命と装置設計上の安全率
- 軸受け関連の付属品——スリーブ・ロックナット・座金の使い分け
軸受けの大分類——転がり軸受けと滑り軸受け、装置設計者の頭の整理
まず大前提として、軸受けには「転がり軸受け」と「滑り軸受け」がある。転がり軸受けは内輪と外輪の間に玉やコロを挟んで転がす方式で、深溝玉軸受6000系・アンギュラ玉軸受・テーパローラー・ベアリングユニットなどが該当する。滑り軸受けは軸と軸受け面が直接(あるいは油膜を介して)滑る方式で、メタル・無給油ブッシュ・オイレスブッシュ・油含浸焼結軸受などが該当する。
教科書的には「高速・高精度なら転がり、低速・高荷重・耐衝撃なら滑り」と整理されるが、装置の世界ではもう少し具体的な軸が必要になる。私が実際に図面前で考えているのは次の順番だ。第一に「給脂できる環境か」、第二に「装置の停止時間がどれだけ許されるか」、第三に「軸受け部にどれだけスペースが取れるか」、第四に「予算と納期」だ。剛性や精度は、上記4軸が決まったあとに細部を詰める段階で出てくる。
たとえば食品工場の搬送装置で、洗浄時に水がかかる環境では、いくら定格が合っても深溝玉軸受は選びにくい。給脂口を設けても水が混入してグリースが乳化し、半年で内輪が錆びる。こうした場面では多少コストが上がっても食品グレードの樹脂無給油ブッシュ(オイレス#80や#500SP1)を選んだほうが、装置のライフサイクルコストは確実に下がる。判断軸を持たずに「深溝6204でいいか」と機械的に決めると、後で痛い目を見る。
深溝玉軸受(ボール)——基準形としての6000系、現場で多用する型番と特徴
深溝玉軸受は機械設計者が最初に覚える軸受けで、汎用性の高さは群を抜く。NSK・NTN・KOYO(JTEKT)・NACHIといった国内メーカーが基本仕様を共通化していて、JIS B 1521の番号体系に従って6200系・6300系・6800系・6900系などがある。装置設計でよく使うのは6204(内径20mm)・6205(25mm)・6206(30mm)・6004(20mm細幅)あたりで、何百回と図面に書いてきた。
6200系と6300系の違いは負荷容量で、6300系のほうが外径が大きく耐荷重も大きい。ただし装置設計では「コンパクトに収めたい」という要求のほうが強いので、6200系・6800系(薄肉)・6900系(さらに薄肉)が出番として多い。シール形式は開放(無印)・接触シール(DDU・LLU・2RS)・非接触シール(ZZ・LB)から選ぶが、屋内クリーン環境なら2RSタイプ、屋外や粉塵環境なら金属シールZZにグリース充填、というのが標準的な選び方だ。
過去にこんな失敗があった。検査装置の搬送ローラー軸に6204ZZを使ったところ、洗浄液がシール内側に少しずつ入り込んで2か月で内輪に錆が出た。「ZZだから水がかかっても大丈夫」と思い込んでいたが、ZZは「金属シールド」であって防水ではない。非接触シールはあくまで異物の侵入を物理的に妨げるだけで、水蒸気や霧状の液体は防げない。このとき以来、水気のある場所では必ず接触シール2RSか、思い切ってシールなしで給脂式の構造に変えるようにしている。
深溝玉軸受の許容回転数は内径φ20mmの2RSタイプでグリース潤滑なら9,000rpm程度、潤滑油式なら18,000rpm前後だ。装置設計で扱う回転数はだいたい100〜3,000rpmの範囲なので、回転数で困ることはまずない。一方で軸方向荷重には弱い。スラストを受けたいときはアンギュラ玉軸受7000系を組み合わせるか、テーパローラーに切り替えるのが定石だ。
ベアリングユニット——架台に直付けできる完成品、UCP・UCF・UCFL系の使い分け
ベアリングユニットは、深溝玉軸受の外輪にハウジングを一体化させた「完成品」だ。代表的なのはNTNやASAHI製のUC系で、形状によりUCP(ピロー型)・UCF(フランジ型)・UCFL(菱形フランジ型)・UCT(テークアップ型)・UCFC(フランジ円形)に分かれる。利点は架台にM12ボルト4本で直接付けられる点と、自動調心機能で多少の取付誤差を吸収できる点だ。
私が装置の搬送コンベアを設計するとき、駆動軸の両端支持には9割方UCPかUCFを使う。たとえばモータ軸からチェーンで駆動する搬送ローラーで、軸径φ25mmなら型式はUCP205(フット形)かUCF205(フランジ形)になる。架台のフレームに乗せる場合はUCP205、側板に張り出して付ける場合はUCFL205といった具合だ。深溝玉軸受の単品で同じことをやろうとすると、ハウジング設計に2日かかるし、組立精度の管理も大変になる。ベアリングユニットなら図面に1行記載して終わりだ。
注意点として、ベアリングユニットは精度等級が普通級(Class 0)相当で、回転精度を求める用途には向かない。私の感覚では「搬送系・低速攪拌・コンベア」ならOK、「印刷ローラー・精密研削・スピンドル」には不向きだ。回転数も2,000rpm程度が実用上限で、それ以上ではグリースの飛散と発熱で寿命が極端に落ちる。
過去に、樹脂フィルムの巻取りローラーでφ30mm軸にUCP206を選んだら、駆動側の回転数1,800rpm運転で4か月後にハウジングからグリースが噴き出し、フィルムを汚染した。仕様書を読み返したらUCP206のグリース潤滑時許容回転数は1,800rpmギリギリで、安全率がほとんどなかった。以後、回転数1,500rpmを超える用途では深溝玉軸受6206をブロック内に組み込んだ専用ハウジングを設計するようにしている。「完成品で済ませる」発想は便利だが、回転数だけは必ず仕様表で確認したほうがいい。
ベアリングユニットの素材選択も実は重要で、標準は鋳鉄ハウジング+クロム鋼軸受だが、食品・薬品ラインではステンレス(SUS304またはSUS440C)一体型、洗浄環境ではポリプロピレン樹脂ハウジング+ステンレス軸受、といった選択肢もある。価格は標準品の3〜5倍になるが、ライフを考えれば正解になる場面は多い。
無給油ブッシュ——オイレスブッシュ・ドライメットST・iglide系、樹脂と複合材の世界
「軸受け=給油が必要」という先入観は、無給油ブッシュを知ると一気に崩れる。代表格はオイレス工業の「オイレス#80」(青銅地金に固体潤滑剤を埋め込んだもの)、「ドライメットST」(鋼裏金に銅合金焼結+PTFE樹脂層)、ドイツigus社の「iglide」シリーズ(樹脂ベースに固体潤滑剤を分散)の3系統だ。これらは外部から油やグリースを供給しなくても、軸受け面に分散された固体潤滑剤やPTFEで滑り性を維持する。
装置設計で無給油ブッシュを使うべき場面は明確で、「定期給脂のメンテナンスを省きたい」「給油すると製品を汚染する」「往復・揺動運動で給脂が行き渡らない」「水中・洗浄環境で水洗が必要」のいずれかに該当するときだ。私の経験では、食品搬送ライン・医療機器・半導体洗浄装置・屋外設置の開閉機構などで無給油の出番が圧倒的に多い。
材料の使い分けはおおむね次のようになる。圧倒的に荷重が大きく(PV値が高く)金属軸との相性が必要ならドライメットSTかオイレス#500SP1。中荷重・常温・往復運動ならiglide J、医療や食品で粉発生を嫌うならiglide A180やオイレス#80F(食品グレード)、屋外で泥水・砂塵に晒される機構ならiglide PだとAUDi(カウンタパート摩耗)を見て選ぶ。
過去にやった失敗で印象的なのが、開閉ヒンジ部にiglide Pを使った屋外装置で、相手軸にSS400磨き材をそのまま使ってしまい、3か月で軸側に深さ0.2mmのスジ摩耗が入った。樹脂ブッシュは「軸が摩耗する」というのが大原則で、軸側はSCM440焼入れ・S45C高周波焼入れ・SUS440C・硬質クロムめっきといった硬い相手を選ぶのが鉄則だ。これを知らずに鉄の磨き材で済ませると、軸のほうが先に削れて寿命を縮める。
PV値(面圧×滑り速度)の管理も無給油ブッシュ特有のポイントだ。たとえばオイレス#80の許容PVは常温空気中で約2.5N/mm²·m/s、ドライメットSTで約3.5N/mm²·m/sといった具合に、材料ごとに上限が決まっている。装置の運転条件からPVを計算して、上限の50〜70%以下に収めるのが安全圏だ。私はExcelで「PV計算シート」を作ってあって、面圧・摺動速度・連続/断続を入力すると材料候補が出るようにしている。設計者の頭の中だけで判断すると、低速だからと油断してPV超過、ということが起きる。
メタル(平軸受・滑り軸受)——ホワイトメタル・ケルメット・特殊銅合金、低速高荷重の世界
メタル(平軸受、すべり軸受)はもっとも古典的な軸受けで、いまでも低速・高荷重・耐衝撃が求められる現場で第一選択になる。代表的なのは大同メタルの「ケルメット」(鋼裏金に鉛青銅を焼結)、「ホワイトメタル」(錫または鉛ベースの軟質合金)、「特殊銅合金(CuPb系・CuSn系)」などだ。建設機械・プレス機・大型減速機・船舶推進軸など、転がり軸受けでは持たない世界がここにある。
装置設計で本格的なメタル軸受を使う場面は限られるが、私が頻繁に使うのは「大型成形機の型開閉軸」「プレス上下軸のガイドブッシュ」「大型治具の旋回部」あたりだ。軸径φ80mm以上で、面圧30MPa以上、回転数50rpm以下といった条件になると、深溝玉軸受や無給油ブッシュではまったく持たない。ここで青銅系メタル(C5191PやC6782P)を厚肉ブッシュで挿入して、軸側にSCM440焼入れ材を組み合わせる。これが定石だ。
メタル軸受は給油が前提で、強制給油(オイルポンプ)・グリースニップル給脂・オイルバス(油浴)のいずれかで潤滑する。給油を止めると一瞬で焼き付くので、装置側にインターロックを必ず入れる必要がある。過去に、ある成形機の改造案件で給油ラインの圧力スイッチが壊れていることに気づかず無潤滑運転を1分続けたら、軸受面が完全に焼き付いて軸ごと交換になった。修理費は200万円、ライン停止は1週間。メタル軸受の怖さはここにある。
| 種類 | 代表型番 | 適用範囲 | 給油 | 価格レンジ |
|---|---|---|---|---|
| 深溝玉軸受 | NSK 6204DDU | 一般機械全般 | グリース封入 | 数百〜千円 |
| ベアリングユニット | UCP205 | 搬送・コンベア | グリース封入 | 二千〜五千円 |
| 無給油ブッシュ | iglide J | 食品・医療・往復運動 | 不要 | 数百〜数千円 |
| 油含浸軸受 | NTNオイレスSL | 小型モータ・低荷重 | 含浸油(補給不要) | 数百円 |
| メタル | 大同ケルメット | 大型・高荷重・衝撃 | 強制給油 | 数万円〜 |
メタル系の選定では「相手軸の硬さ」「軸の真円度・表面粗さ」「給油の確実性」の3点を最優先に詰める。これを軽視すると、面圧計算は合っていても現場で焼き付く。
油含浸軸受(オイレスSL系・焼結含油軸受)——小型モータ・家電・低荷重の定番
油含浸軸受は、銅・鉄系の焼結金属に潤滑油を含浸させたもので、内部の細孔に保持された油が運転中に滲み出して油膜を作る。NTNの「オイレスSL」、ポーライト、住友電工の「ベアリーAS」などが代表だ。家電のファンモータ、車載小型モータ、OA機器の搬送ローラーなどに大量に使われている。
装置設計の文脈では「軸径φ3〜φ20mm程度の小型回転軸で、面圧が低く(10MPa以下)、給油メンテをしたくない」場面で使う。たとえば検査装置の小型エンコーダ駆動軸、ファン軸、小型エアシリンダのロッドガイドなどだ。価格が安く(1個数百円)、外径と内径の公差精度が高く(h7/H7)、製缶ハウジングに圧入するだけで使える。
注意点は、含浸油には寿命があるという点だ。常温連続運転で5,000〜10,000時間が一般的で、それを超えると油切れで急激に摩耗が進む。装置の設計寿命と照らし合わせて、足りなければあらかじめ「定期交換部品」として図面に明記する。私はこの手の小型軸受は「設備の寿命2〜3年で交換」を前提にして、交換のしやすい構造(圧入後にバックリングで抜けるなど)にしておくようにしている。
軸受け選定で最初に決めるべき4つの設計判断軸
ここまで5種類の軸受けを駆け足で見てきた。実務で選定するときの判断軸を最後にまとめておく。
第一に「給脂環境」。給脂が確実にできるなら転がり軸受け、無理なら無給油ブッシュか油含浸軸受。第二に「荷重と速度」。PV値・面圧・回転数を計算し、各種カタログの許容値と照合する。これを省くと現場で必ず痛い目を見る。第三に「精度要求」。回転精度や繰り返し位置決め精度が必要なら転がり軸受け(深溝玉軸受やアンギュラ)。許されるなら滑り軸受け。第四に「メンテナンス頻度」。年に一度の点検しか入れない装置なら無給油系一択、月点検が確実にできるなら転がり軸受けでも問題ない。
これに加えて、相手軸の材料と硬さ・装置の振動レベル・温度環境を二次的にチェックすれば、選定の8割は決まる。残り2割は実機での試運転で詰めていく。机上計算だけで完結する設計は、軸受けに関しては存在しない。だからこそ、メーカーカタログ(NSK、NTN、オイレス工業、igus、大同メタル)を手元に置いて、現物のサンプルを触って質感を覚えていくのが、若手のうちにやるべき仕事だ。
軸受けの世界は奥が深い。本記事で全種類を網羅したわけではないが、装置設計者が日常的に出会う5系統の使い分けはこれでカバーできているはずだ。次に図面を引くとき、「とりあえず深溝で」と言いそうになったら、一度本記事の5系統を頭に並べてから決めてほしい。
軸受け部の取付構造——ハウジング・嵌合・予圧・止め輪の実務
軸受け本体の選定が終わっても、ハウジング側の取付構造を誤ると現場で音鳴り・異常摩耗・短寿命に直結する。深溝玉軸受6204を例に、ハウジング設計のポイントを整理しておく。
第一に「嵌合公差」。回転側(一般には内輪)はk5またはm5の締まり嵌め、固定側(外輪)はH7の隙間嵌めが標準だ。軸はφ20+0.002/+0.015、ハウジング穴はφ47+0.025/0で設計する。これを逆にすると、回転側で外輪がクリープ(微小回転)して内面摩耗が進行する。
第二に「軸方向の保持」。軸受けは内外輪のどちらかを段付き+止め輪で軸方向に固定する。装置では「シャフト段付き+スナップリング止め」が定番で、6204ならφ47穴にC形止め輪(JIS B 2804、線径1.75mm)を組み合わせる。
第三に「予圧」。アンギュラ玉軸受や対向2列配置の深溝玉軸受では、組立時に軸方向予圧を与えて回転精度を出す。SMC NSKカタログでは「軽予圧(記号CL)・中予圧(CM)・重予圧(CH)」と区分があり、装置の回転精度要求と発熱・寿命のバランスで選ぶ。
第四に「シール部の構造」。装置側に追加でオイルシール(NOK SC形・SB形)を入れる場合は、軸受け本体のシールと干渉しないようにシール室を別途設ける。これを忘れると組立時にシール変形→油漏れ→軸受け摩耗、という連鎖トラブルになる。
軸受け寿命計算——L10寿命と装置設計上の安全率
軸受けカタログには動定格荷重Crと静定格荷重C0rが記載されているが、若手設計者には数字の意味がピンとこないことが多い。実務で使えるレベルで整理しておく。
動定格荷重Crは「100万回転で90%の軸受けが疲労破壊しない荷重」と定義されている(ISO 281)。これに対して実際に作用する荷重Pと回転数nを使って計算するのが「L10寿命(時間)」で、公式は L10h = (Cr/P)^3 × 10^6 / (60n)。たとえば6204のCr=12,800N、作用荷重P=2,000N、回転数n=1,000rpmなら、L10h = (12800/2000)^3 × 10^6 / 60000 ≈ 4,366時間(約180日連続運転)。
装置設計では「設計寿命20,000時間以上(24時間稼働で約2.3年)」を目安にするのが一般的で、これを満たさなければ軸受けサイズを上げるか、回転数を下げるかの判断になる。実装置では振動・温度・潤滑状態などの補正係数が乗るので、計算値の50〜70%が実寿命だと考えておく。
過去にL10寿命計算を省略してφ20軸に6204を採用した搬送装置で、現場の運用条件(重ワーク追加で荷重1.5倍)で計算すると寿命が3,000時間に落ちる構成だった。半年で異音発生→2回交換→対策で6205に変更、という流れで余計なコストがかかった。設計段階で簡易計算を回しておけば防げた失敗だ。
軸受け関連の付属品——スリーブ・ロックナット・座金の使い分け
中型〜大型の軸受け(内径φ30以上)になると、軸への固定方法も工夫が要る。スリーブ(アダプタスリーブH204、引抜スリーブAH204)・ロックナット(KM形)・座金(MB形)を組み合わせて固定するのが定番で、これにより軸の段付き加工なしで軸受けを取付・取外しできる。
スリーブは内径テーパ穴の軸受け(自動調心玉軸受1204K、自動調心ころ軸受22210K)に組み合わせて使う。長尺の軸の任意位置に軸受けを固定できるので、搬送ロールやファン軸の設計が一気に楽になる。ロックナットKMには戻り止めの座金MBが組み合わさり、緩み防止になる。
これら付属品はNSK・NTNいずれも標準在庫品で、納期1週間以内で手に入る。装置設計の初期段階で「軸の段付き加工が困難」「軸受け位置を後で微調整したい」といった要件があるなら、スリーブ固定方式を検討する価値がある。
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