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ICADを使い始めた設計者が最初に覚えるべき操作

実務ノウハウ

はじめに

ICAD(アイキャド)は、国内の製造業で広く使われている2D CADです。

JIS規格への対応や日本語環境の使いやすさが特徴で、自動車・機械部品・設備設計など幅広い分野で使われています。

この記事では、ICADを使い始めた設計者が最初の1〜2週間で覚えるべき操作を整理します。

ICADの特徴と他CADとの違い

【ICADの主な特徴】

・JIS規格に準拠した図面作成に強い

→ 寸法・公差・表面粗さの記号がJIS形式で出力できる

・図面管理機能が充実している

→ 部品番号・リビジョン管理・図面一覧との連携

・アドオン(拡張機能)が多い

→ 現場によってカスタマイズされた機能が入っていることが多い

・操作体系はWindows標準に近い

→ 他のWindowsアプリに慣れていれば比較的なじみやすい

最初に覚える操作①:画面操作

【ズーム・パン(画面移動)】

ズームイン :マウスホイール上スクロール

ズームアウト:マウスホイール下スクロール

全体表示 :ホームキー(またはツールバーの「全体」ボタン)

パン(移動):中ボタンドラッグ(またはSpaceキー + ドラッグ)

【グリッド表示の切替】

表示メニュー → グリッド でオン/オフ

グリッドのピッチは設定で変更可能(初期値5mmが多い)

最初に覚える操作②:基本図形の描画

【直線】

描画 → 直線 → 始点・終点をクリック

または「L」キーでコマンド起動(環境による)

コツ:オルソモード(直交制限)をオンにして描くと水平・垂直が確実

【円】

描画 → 円 → 中心をクリック → 半径を入力またはクリック

【長方形】

描画 → 長方形 → 対角の2点をクリック

または → 基点・幅・高さを入力

【補助線(中心線)】

線種を「中心線(一点鎖線)」に変更してから直線を描く

→ 線種変更はツールバーの線種セレクタで行う

最初に覚える操作③:要素の編集

【選択方法】

単独選択:要素をクリック

複数選択:Ctrlキーを押しながらクリック

範囲選択:ドラッグ(左から右:完全に囲む要素のみ)

逆ドラッグ(右から左:触れた要素も含む)

【移動】

選択 → 右クリック → 移動

または 編集 → 移動 → 基点・移動先を指定

【コピー】

選択 → Ctrl+C → Ctrl+V

または 編集 → コピー → 貼り付け位置を指定

【トリム(余分な線を削除)】

編集 → トリム → カットする線をクリック

境界となる線は自動認識される

最初に覚える操作④:寸法記入

ICADの寸法記入は、「何を測るか」を選んでから要素を指定する流れです。

【長さ寸法(水平・垂直)】

1. 寸法 → 長さ寸法 を選択

2. 測定する2点をクリック(または辺をクリック)

3. 寸法線の配置位置をクリック

【直径寸法(φ)】

1. 寸法 → 直径寸法 を選択

2. 円または円弧をクリック

3. 配置位置をクリック

→ φ記号が自動付与される

【半径寸法(R)】

1. 寸法 → 半径寸法 を選択

2. 円弧をクリック

→ R記号が自動付与される

【公差を追加する】

寸法をダブルクリック → 寸法プロパティを開く

→ 公差タイプを選択(±対称 / 上下個別 / はめあい記号)

→ 値を入力

最初に覚える操作⑤:注記・引出線

【テキスト(注記)の記入】

1. 注記 → テキスト を選択

2. テキストを配置する位置をクリック

3. テキストを入力してEnter

【引出線(指示線)の記入】

1. 注記 → 引出線 を選択

2. 指示する点をクリック

3. 引出線の折点をクリック

4. テキスト配置位置でダブルクリック

5. テキストを入力

【表面粗さ記号】

1. 注記 → 表面粗さ を選択

2. 記号の種類・値を設定

3. 配置位置をクリック

→ JIS形式の表面粗さ記号が自動生成される

ICADで最初につまずきやすいポイント

つまずき①:選択した要素が意図せず変形する

→ 選択後の操作に注意。要素をクリックしたままドラッグすると

移動・変形になる場合がある

→ 確実に選択のみしたい場合は、クリック後すぐ離す

つまずき②:寸法の文字サイズが図面に合わない

→ ツール → 図面設定 でデフォルトの文字サイズを変更

→ 縮尺に応じた文字サイズ設定を社内標準で確認する

つまずき③:保存形式が分からない

→ 通常は .icd(ICAD固有形式)で保存

→ 客先への提出はPDF または DXF(設定で出力可能)

→ File → 書き出し → DXF/DWG を選択

つまずき④:アドオン機能が多くてどれを使えばいいか分からない

→ 最初は基本メニューのみ使う

→ 先輩が使っているアドオンを教えてもらってから追加する

最初の1週間でやること

□ 画面のズーム・パン操作を自在にできるようにする

□ 直線・円・長方形を描けるようにする

□ トリムと延長を使えるようにする

□ 寸法(長さ・直径・半径)を記入できるようにする

□ テキスト(注記)を記入できるようにする

□ ファイルの保存・PDF出力の手順を覚える

□ 社内のレイヤー標準・線種設定を確認する

ICADを使い始めて感じた他CADとの違い

ICAD/SXは富士通の国産CADで、特に自動車部品メーカーや搬送・FA装置の設計現場で採用されています。CATIA・SolidWorksから乗り換えると、最初に戸惑うのが「インターフェース体系の違い」です。CATIAのツリー構造・SolidWorksのフィーチャ一覧に慣れていると、ICADの「機能ボタン群+コンテキスト依存メニュー」は最初は何がどこにあるか分かりません。

ただ慣れると、機能の呼び出しが早く、特に2D図面化の効率は他CADより高いと感じます。装置設計の現場で重宝される理由はここにあります。

ICAD学習で最初に押さえるべき5つの操作

  1. 環境設定(背景色・グリッド・スナップ):最初の30分で自分の作業しやすい状態にする。
  2. パーツ作成(押出し・回転・スイープ):3D基本フィーチャの作り方を一通り。
  3. アセンブリ拘束:CATIAと用語が違うので混乱しやすい。「面合わせ」「軸合わせ」を正確に。
  4. 2D図面投影:3D→2Dの自動投影が強い。レイアウト・寸法・公差の入れ方を覚える。
  5. 部品表(BOM)出力:装置設計の最終アウトプット。Excel連携での出力ルールを最初に決める。

よくある失敗

① 標準パーツライブラリを使わない:ICADには大量の標準部品ライブラリがある。自分でモデリングする前に必ず探す。

② レイヤ分けの設計をしない:装置の構成要素ごとにレイヤを分けないと、後で表示制御ができなくなる。

③ 保存形式の選択ミス:協力会社と共有する場合はSTEP/IGES。社内ならネイティブ形式。

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