機械設計を20年やってきて、いまだに「溶接」は奥が深い領域だと感じる。外部設計者として大手メーカーに常駐していると、図面1枚で工費が30%変わる場面に何度も遭遇する。その大半は、加工指示でも材質選定でもなく、溶接の指示の仕方で決まっていた。
若手の頃、私は溶接記号を「とりあえずJIS見ながら書く」程度の理解で図面を出していた。製缶屋から「これ本当に全周で書いてます?」と電話が来て、初めて自分が記号の意味を分かっていなかったと気づいた。それ以来、溶接は単なる「くっつける作業」ではなく、強度・歪み・コスト・後加工をすべて支配する設計領域だと考えるようになった。
この記事では、機械設計者が実務で押さえておくべき溶接の基礎——記号・種類・脚長・効率・強度計算・現場でやりがちなミス——を、私自身の失敗体験を交えながら整理する。出典はJIS、AIJ「鋼構造設計規準」、AWS D1.1を中心に明記した。
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1. 溶接が機械設計に与える影響——強度・歪み・コスト・後加工
溶接は「材料同士を接合する手段」と捉えられがちだが、設計者の視点で見ると4つの軸が同時に動く。強度・歪み・コスト・後加工の4つだ。この4軸が同時に動くからこそ、溶接指示は他の加工指示よりも重い意味を持つ。
私が常駐先で大型架台の設計をしていた頃、上司から「溶接は図面の中で最も高価な指示の1つだ」と言われたことがある。最初はピンと来なかったが、実際に製缶屋から見積を取ると、その意味がよく分かった。たとえば板厚9mmのSS400で1m分の全周隅肉溶接(脚長6mm)と、同じ箇所を完全溶け込み(CJP)で指示した場合、後者は前者の概ね2〜3倍の工費になる。開先加工・裏当て・UT検査が追加されるためだ。
歪みも軽視できない。t6のSS400平板を片側だけ連続溶接すると、長さ500mmで2〜3mm程度反ることが珍しくない。これを後工程で「歪み取り」するか、設計時点で「対称溶接」「断続溶接」「逆ひずみ法」を採用するかで、現場の負荷は大きく変わる(AWS D1.1 Clause 5「Fabrication」では歪み制御の代表的手法として対称溶接・拘束治具・予熱が挙げられている)。
設計者が溶接で動かす4つの軸
| 軸 | 内容 | 設計者の判断材料 |
|---|---|---|
| 強度 | 継手の許容応力度・効率η | 荷重条件、安全率、AIJ「鋼構造設計規準」 |
| 歪み | 入熱・対称性・拘束 | 板厚、形状、後加工精度要求 |
| コスト | 開先加工・検査・延長 | 隅肉/PJP/CJPの選択 |
| 後加工 | 機械加工・塗装・組立 | 取り代、スカラップ、トーチ進入性 |
新人時代に私は、ある搬送装置の天板(t9 × 1500 × 800)の補強リブを「全部CJPで」と指示してしまった。先輩から「これ全部溶け込ませる必要ある?」と質問され、答えに詰まった。荷重を計算し直すと、隅肉脚長6mmで十分だった。結果として図面を出し直したが、もし気づかずに通していたら検査費だけで数十万円増えていたはずだ。
溶接は「強くしておけば安心」ではない。必要十分な強度を、最小のコストと歪みで実現する——これが設計者に求められる判断軸だ。
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2. 溶接記号の読み方・書き方(JIS Z 3021、矢の側/反対側、現場/全周)
溶接記号はJIS Z 3021「溶接記号」で規定されている。記号は単純に見えるが、矢の側か反対側か、現場溶接か工場溶接か、全周か部分かで意味が180度変わる。
基本構成
JIS Z 3021による溶接記号は、基線(horizontal reference line)と矢(arrow)、それに基本記号と補助記号で構成される。
- **基線の下側に基本記号** → **矢の側**を溶接
- **基線の上側に基本記号** → **矢の反対側**を溶接
- **基線の両側に基本記号** → **両側溶接**
- **基線と矢の交点に旗(小旗)** → **現場溶接**
- **基線と矢の交点に小円** → **全周溶接**
代表的な基本記号
| 種類 | 記号(イメージ) | 用途 |
|---|---|---|
| 隅肉溶接 | △(三角) | 板の重ね・T継手・角継手 |
| I形突合せ | ‖(縦2本線) | 薄板の突合せ |
| V形突合せ | ∨ | 中板の突合せ(CJP/PJP) |
| レ形突合せ | レ | 片開先 |
| K形 | K | 両側開先 |
| U形 | ∪ | 厚板の突合せ |
| プラグ・スロット | □ | 重ね板の点付け |
体験談——「現場/全周」の取り違えで工費爆増
新人2年目、私はある架台図面で「全周隅肉脚長5mm」を指示するつもりが、基線交点に旗(現場溶接)を付けてしまった。本来は「全周(小円)」が正解だ。製缶屋はその図面通りに工場で点付けだけして、ユニットを現場に運び、現場で本溶接を行う段取りを組んでしまった。
現場溶接は工場溶接の2〜3倍の単価が掛かる。気づいたのは出荷直前。1台あたり数十万円の追加が発生し、上司に深く頭を下げた。それ以来、私は溶接記号の交点周りを必ずダブルチェックするようになった。旗=現場、小円=全周、この2つは絶対に間違えないと心に刻んでいる。
体験談——「全周」指示でスカラップ無し
別の案件では、リブを通し板にT継手で取り付ける図面に、全周溶接(小円)を指示した。製缶屋から問い合わせが入った。「リブの根元、スカラップ(切欠き)を入れていないので、通し板の裏側にトーチが入りません」——これは設計の基本ミスだった。
JIS Z 3001-1「溶接用語」でもスカラップは「溶接線が交差する箇所で、後から行う溶接ビードの逃げとして設ける扇形の切欠き」と定義されている。全周溶接を指示する場合、トーチの進入性とビード交差を必ず想定し、必要ならスカラップ(半径25〜35mm程度)を設けるのが鉄則だ。
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3. 溶接の種類(隅肉F・突合せB・部分溶け込みPP・完全溶け込みCJP)
溶接の種類は、継手形状と溶け込み深さで分類される。設計者が押さえるべきは、隅肉(F: Fillet)、突合せ(B: Butt)、部分溶け込み(PJP: Partial Joint Penetration)、完全溶け込み(CJP: Complete Joint Penetration)の4つだ。
種類別の特徴
| 種類 | 開先加工 | 効率η(AIJ目安) | 検査 | コスト比 |
|---|---|---|---|---|
| 隅肉(F) | 不要 | 隅肉強度として別途算定 | 外観・PT | 1.0(基準) |
| PJP(部分溶け込み) | 必要(開先角度浅め) | 0.6〜0.8 | 外観・PT・UT | 1.5〜2.0 |
| CJP(完全溶け込み) | 必要(V/U/K等) | 1.0 | RT/UT必須 | 2.0〜3.0 |
| I形突合せ(薄板) | 不要〜軽微 | 板厚相当 | 外観・PT | 1.2〜1.5 |
※コスト比は私の経験値。実際は板厚・延長・現場条件で変動する。
隅肉(Fillet, F)
最も一般的。T継手・重ね継手・角継手で使われる。開先加工が不要で、脚長sを指示するだけで成立する。AIJ「鋼構造設計規準」第7章では、隅肉溶接の有効のど厚をa = 0.7sとし、これに長期許容せん断応力度を掛けて強度を算出する。
部分溶け込み(PJP)
板厚の一部だけ溶け込ませる継手。隅肉では強度不足だが、CJPほどの強度・検査は要らない中間案として有効だ。AIJの規定では、有効のど厚は実際の溶け込み深さで算定し、効率ηは継手形式により0.6〜0.8程度を見込む(AIJ「鋼構造設計規準」7章、表参照)。
完全溶け込み(CJP)
板厚全断面を溶け込ませる継手。η=1.0として母材と同等の強度を期待できる(AIJ「鋼構造設計規準」、AWS D1.1 Clause 2「Design」も同様の規定)。ただしRT(JIS Z 3104:鋼溶接継手の放射線透過試験)またはUT(JIS Z 3060:超音波探傷)による内部検査が要求されるのが通例だ。
体験談——CJP指定でコスト1.5倍
主軸を受けるブラケット(t16 SS400)を設計した際、私は「念のため」CJPを指定した。本来は強度計算上、PJPの脚長10mmで十分だった。製缶屋から「開先加工・裏当て・UT検査で1.5倍になりますがよろしいですか」と確認が入り、慌てて図面を引き直した。
「念のため」のCJP指定は、設計者の自信のなさをコストに転嫁する行為だと、この時に学んだ。根拠を持って種類を選ぶ——これに尽きる。
体験談——隅肉でいけるところをCJP指定で納期2週間遅れ
別の案件では、薄板(t6)のリブをCJP指定してしまい、製缶屋がCJP実績のある協力会社に外注する形となり、納期が2週間延びた。t6のリブにCJPは過剰だ。脚長4mmの隅肉で全く問題ない強度だった。設計者の判断1つで、現場のスケジュールがここまで動くという事実は忘れてはいけない。
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4. 溶接脚長の決め方(板厚×0.7〜1.0、AWS推奨脚長、JIS B 0405-m)
隅肉溶接の脚長sは、強度計算で決まる場合と、最小脚長の規定で決まる場合がある。実務では後者で決まることも多い。
一般的な目安
経験則として、脚長s = 板厚t × 0.7〜1.0が機械設計でよく使われる。t9なら脚長6〜9mm、t12なら脚長8〜12mmが標準ゾーンだ。
AWS D1.1 Table 7.7(Minimum Size of Fillet Welds)では、母材の厚い方の板厚に応じた最小脚長が規定されている。
| 板厚(厚い方) | AWS最小脚長 |
|---|---|
| 〜6mm | 3mm |
| 6〜12mm | 5mm |
| 12〜19mm | 6mm |
| 19mm〜 | 8mm |
これは「溶接時の急冷による割れを防ぐため、ある程度の入熱量を確保する」という熱履歴の観点から決められている。強度上は4mmで足りても、板厚が厚ければ最小脚長を満たす必要がある点に注意。
JIS B 0405「普通公差」とは別物
時々、若手から「脚長公差はJIS B 0405-mでいいですか」と聞かれる。JIS B 0405-m(中級)は機械加工部品の長さ公差であり、溶接寸法の公差はJIS B 0405の溶接構造の普通公差(JIS B 0405-2に類するもの、または独自規定)を別途参照すべきだ。機械加工のmと溶接のmは別物と覚えておきたい。
体験談——脚長指示が小さすぎて製缶屋から問い合わせ
t12の補強リブに脚長4mmを指示したことがある。強度計算上は3mmで足りていたが、製缶屋から「t12で脚長4mmは、AWSの最小脚長を下回ります。実作業上もビードが安定しないので、最低5mmでお願いします」と連絡が来た。これは正論だ。図面を修正した。
設計者は「強度上はOK」だけで判断してはいけない。作業性と最小脚長の規定を必ず併せて見る。私はこれ以降、隅肉脚長は「強度計算」「板厚×0.7」「AWS最小脚長」の3つの最大値を採用するようにしている。
板厚別の推奨脚長
| 板厚t | 強度目安(板厚×0.7) | AWS最小 | 実務推奨脚長 |
|---|---|---|---|
| t6 | 4mm | 3mm | 4〜5mm |
| t9 | 6mm | 5mm | 6mm |
| t12 | 8mm | 5mm | 6〜8mm |
| t16 | 11mm | 6mm | 8〜10mm |
| t19 | 13mm | 6mm | 10〜12mm |
| t25 | 17mm | 8mm | 12〜16mm |
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5. 溶接効率η(鋼構造設計規準でη=0.6〜1.0、AIJ)
溶接効率ηは、「母材強度に対して継手強度が何割か」を表す係数だ。AIJ「鋼構造設計規準」第7章「溶接接合」では、継手形式ごとに効率が規定されている。
継手形式と効率η
| 継手形式 | 効率η | 適用条件 |
|---|---|---|
| CJP(完全溶け込み) | 1.0 | 突合せ、RT/UT合格 |
| PJP(部分溶け込み) | 0.6〜0.8 | 溶け込み深さで算定 |
| 隅肉 | 隅肉として別途算定 | a=0.7s、せん断で評価 |
| I形突合せ(薄板) | 1.0相当 | t≦3mm程度 |
JIS B 8265(圧力容器構造)の溶接効率
圧力容器の設計ではJIS B 8265「圧力容器の構造-一般事項」が広く参照される。同規格では、溶接効率は継手形式と検査程度の組み合わせで表として規定されており、概ね以下のように整理される。
| 継手 | 全長RT | 部分RT | 検査なし |
|---|---|---|---|
| 突合せ両側溶接 | 1.00 | 0.85 | 0.70 |
| 突合せ片側(裏当て有) | 0.90 | 0.80 | 0.65 |
| 片側突合せ(裏当て無) | — | — | 0.60 |
※実際の値はJIS B 8265本文を必ず参照すること。改訂で数値が変わることがある。
体験談——効率を見落として板厚アップ手戻り
ある圧力容器のフランジ周りで、私は「突合せだから効率1.0でいいだろう」と決めつけて板厚を算定した。詳細設計レビューで「これ部分RTだから0.85ですよ」と指摘され、結局板厚を1サイズ上げる手戻りが発生した。
設計者は溶接効率を強度計算の最初に入れる癖を付けるべきだ。私は今、板厚を決める前に「想定η=?」を必ずメモする。これだけで手戻りが激減した。
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6. 溶接強度計算の実務(許容応力度、a=0.7s、Fwd=Fη/√3)
隅肉溶接の強度計算は、有効のど厚a × 溶接長L × 許容応力度の積で表される。
基本式
- 有効のど厚:**a = 0.7s**(脚長sに対して、のど断面は約0.7倍)
- 有効断面積:**Aw = a × L**
- 隅肉溶接の許容せん断応力度:**fa = F / (√3 × ν)**
ここでFは鋼材の基準強度、νは安全率(長期1.5、短期1.0)。AIJ「鋼構造設計規準」では、隅肉溶接はせん断で評価し、長期許容応力度は F/(√3×1.5)、短期は F/√3 が基本となる。
SS400の許容応力度
SS400(F=235 N/mm²、t≦40mm)の場合、隅肉溶接の許容応力度は以下の通り。
| 区分 | 計算式 | 数値 |
|---|---|---|
| 長期許容(せん断) | F/(√3×1.5) | 約 90 N/mm² |
| 短期許容(せん断) | F/√3 | 約 135 N/mm² |
| 長期許容(引張・突合せCJP) | F/1.5 | 約 156 N/mm² |
| 短期許容(引張・突合せCJP) | F | 235 N/mm² |
※隅肉は方向によらずせん断で評価するのが規準の原則(AIJ「鋼構造設計規準」7.3節参照)。
計算例
t9のSS400板にt9のリブを脚長6mmの全周隅肉(溶接長300mm)でT継手とする場合の許容せん断荷重(長期)。
- a = 0.7 × 6 = 4.2 mm
- Aw = 4.2 × 300 = 1260 mm²
- 許容荷重Q = 1260 × 90 = **113,400 N ≒ 11.3 tonf(長期)**
短期なら約17 tonf。これを実荷重と比較し、安全率を確認する。
PJP・CJPの強度
PJPは有効のど厚を実際の溶け込み深さで算定し、効率η(0.6〜0.8)を掛ける。CJPは母材と同等(η=1.0)で扱える。
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7. 溶接設計でやってしまうミス7選
最後に、私自身が踏んだ、あるいは現場で何度も見てきた失敗を7つ整理する。
① 「念のためCJP」指定でコスト1.5〜2倍
強度計算上は隅肉やPJPで足りるのに、不安からCJPを指定するパターン。開先加工とRT/UT検査が追加される。根拠ある選択を。
② 「現場溶接」と「全周溶接」の取り違え
旗(現場)と小円(全周)の取り違えは、工費が跳ね上がる典型ミス。基線交点は二度見する習慣を。
③ スカラップ無しの全周指示
T継手交差部にスカラップを設けないまま全周溶接を指示すると、トーチが入らず現場で切欠きを追加することになる。設計段階で必ず織り込む。
④ 脚長指示が小さすぎ・大きすぎ
t12に脚長4mmはAWS最小脚長を下回る。逆にt6に脚長10mmは入熱過多で歪みの原因になる。板厚×0.7〜1.0を基本目安に。
⑤ 溶接歪みを設計で考慮しない
片側溶接や非対称配置で生じる歪みを後工程で「歪み取り」前提にすると、現場が疲弊する。対称溶接・逆ひずみ法・断続溶接を設計段階で。
⑥ 溶接効率ηを強度計算に入れ忘れ
特に圧力容器・架構ではη=0.6〜1.0が結果を大きく動かす。強度計算の最初にηを書くルールが効果的。
⑦ 検査方法を指示しない
CJPを指定したのに「検査方法(RT or UT)」を書かないと、製缶屋は最も安価な方法を選ぶ。JIS Z 3104(RT)、JIS Z 3060(UT)から、要求品質に応じた検査方法を明示する。
体験談——天板平面度が出ず半日シム調整
t12の天板にリブを片側だけ連続溶接した装置で、組立時に天板の平面度が1mm近く狂っていた。現場で半日シムを噛ませて平面を出す羽目になった。設計時に対称溶接か断続溶接を選んでいれば、この半日は不要だった。
溶接設計チェックリスト
| 項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 種類 | 隅肉/PJP/CJP、根拠は荷重計算か |
| 脚長 | 強度・板厚×0.7・AWS最小の最大値か |
| 記号 | 矢の側/反対側、現場/全周は正しいか |
| 効率η | 強度計算にηを入れたか |
| 検査 | RT/UTの要否と規格番号を明記したか |
| スカラップ | 交差部・全周部の進入性は確保したか |
| 歪み | 対称溶接・断続溶接で歪みを抑えたか |
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おわりに
溶接は、機械設計者が最後まで悩む領域だ。記号の小さな旗1つ、脚長の1mm、効率の0.1で、現場の工費と品質が大きく動く。私自身、20年やってきても新しい失敗をするし、製缶屋から教わることも多い。
ただ、JIS Z 3021・JIS Z 3001・AIJ「鋼構造設計規準」第7章・AWS D1.1という4つの規格を手元に置き、強度・歪み・コスト・後加工の4軸で考える癖を持っていれば、致命的なミスは確実に減る。若手の設計者には、まずこの4つの規格を「いつでも開ける場所」に置いておくことを勧めたい。
溶接は地味だが、設計者の腕が最も出る指示の1つだ。1枚の図面に込めた判断が、現場の半日を救うこともあれば、半月を奪うこともある——そのことを忘れずに、私はこれからも溶接記号を書いている。
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*設計×現場ラボ|@sekkei_tech*



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