はじめに
機械設計の仕事は「時間をかければ良い設計ができる」という側面がある一方で、時間をかけても品質が上がらない作業も多く含まれています。
設計の質を下げずに効率を上げるためには、「時間の使い方」を意識することが出発点です。
設計業務の時間の使い方を分析する
設計業務を時間の観点で分類すると:
①高付加価値の作業(思考・判断が必要な作業)
→ 設計方針の検討
→ 強度計算・シミュレーション
→ 問題の根本原因分析
②標準化・自動化できる作業(繰り返し・定型作業)
→ 類似形状のモデリング
→ 定型フォーマットへの記入
→ 規格値の検索・記録
③ムダな作業(なくしても設計の質が変わらない作業)
→ 不必要に詳細な中間ドキュメントの作成
→ 重複するチェック・確認作業
→ 完璧すぎる資料作成(使われない詳細図等)
→ ①に時間を集中させ、②を効率化し、③を削減する
CAD操作の効率化
設計時間の多くを占めるCAD操作を効率化する:
ショートカットを使いこなす:
→ よく使うコマンドはキーボードショートカットで実行する
→ マウスだけの操作より大幅に速くなる
テンプレートを整備する:
→ 図面テンプレート(表題欄・一般注記入り)
→ よく使うアセンブリ構成のテンプレート
→ 設計計算書のExcelテンプレート
過去データを流用する:
→ 類似した設計の3Dデータ・図面を起点にする
→ 「ゼロから作る」を減らす
CATIAの場合:
→ マクロ(VBA)でよく使う操作を自動化できる
→ カタログ(PowerCopy)で形状の再利用が可能
確認・修正の手戻りを減らす
設計時間の大きなロスの一つは「後からの手戻り修正」。
手戻りを減らすための習慣:
①作業前に「確認事項を一度に洗い出す」
→ 途中で確認待ちが入ると作業が止まる
→ 必要な情報・決定事項を先に確認してから作業開始する
②設計の節目でセルフチェックを入れる
→ 図面を描き終えてから全部見返すより
「部品1つ描いたら1回確認」の方が修正が少ない
③「やり直しになりやすい判断」は早めに確認する
→ 「この方針で進めてよいか」の確認を後回しにすると
方針違いで全部やり直しになる
タスク管理で集中力を維持する
設計業務での時間管理の基本:
朝のルーティン:
→ その日のTODOを3〜5項目書く
→ 「今日必ず終わらせること」を1〜2項目に絞る
作業ブロックを作る:
→ 「9時〜11時はCADモデリング、邪魔されない」
のように作業時間をブロックする
→ メール・Slackの確認は時間を決めてまとめて行う
割り込みへの対応:
→ 急ぎの依頼でなければ「今の作業が終わったら対応します」
→ 「全部緊急」という状況は優先順位がない状態。
窓口担当者と優先度を確認する。
終業前のルーティン:
→ 今日の残タスクを確認
→ 翌日のTODOを書いておく
→ 「中途半端な状態」で終わる部分にコメントを残す
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