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AutoCADを使い始めた設計者が最初に覚えるべき操作

AutoCADを使い始めた設計者が最初に覚えるべき操作 CADツール

はじめに

機械設計の現場では、AutoCADは今も広く使われているCADのひとつだ。

私はこれまで3社でCAD業務を行ってきたが、うち2社ではAutoCADが主力ツールだった。

AutoCADを最初に使ったとき、最も違和感を覚えたのは「コマンドライン」の存在だった。

画面下部に小さく表示されるテキスト入力欄で、そこに操作コマンドを直接タイプして実行する。

「なぜGUIで操作できるのに、わざわざキーボードで入力するんだ」

そう感じた設計者は私だけではないはずだ。

しかし、このコマンドライン操作こそがAutoCADの速さの根幹だと、実務を積む中で気づいた。

この記事では、AutoCADを使い始めた設計者が最初に覚えるべき操作を、実務経験から厳選して紹介する。


コマンドライン操作の基本を最初に理解する

AutoCADの最大の特徴は、すべての操作がコマンドで実行できることだ。

マウス操作だけでも使えるが、コマンドを覚えれば作業速度が格段に上がる。

たとえば線を引くなら、マウスでアイコンを探してクリックするより、「L」とタイプしてEnterを押す方が速い。

コマンドラインの基本ルールはシンプルだ。

  • コマンドを入力してEnterキーで実行
  • Escキーでコマンドをキャンセル
  • Enterキーは直前のコマンドを繰り返す
  • スペースキーもEnterと同じ役割(実務ではこちらをよく使う)
  • 最初からすべてのコマンドを覚える必要はない。

    まず「よく使う10コマンド」を体に叩き込む。それで実務の8割は回る。


    最初に覚えるべき10コマンド

    ① LINE(L)——線を引く

    最も基本の操作。始点と終点をクリックまたは座標入力で指定する。

    相対座標入力(@100,50のように入力)を使うと、正確な寸法で線が引ける。


    ② CIRCLE(C)——円を描く

    中心点をクリックし、半径を入力する。

    「3P(3点指定)」「2P(直径の2点)」など複数の入力方法があるが、最初は中心点+半径だけ覚えればいい。


    ③ TRIM(TR)——線を切り取る

    不要な線の余分な部分を切り取るコマンド。

    実務で最も頻繁に使うコマンドのひとつだ。

    操作手順:

  • TRと入力してEnter
  • 切り取りの境界となる線を選択してEnter
  • 切り取りたい線の部分をクリック

  • ④ OFFSET(O)——平行線を作る

    既存の線から指定距離だけオフセットした平行線を作るコマンド。

    壁の厚みや部品の輪郭を描くときに頻繁に使う。


    ⑤ MIRROR(MI)——反転コピーする

    選択した図形を指定した軸に対して鏡面コピーするコマンド。

    対称形状を描くときに、半分を描いてMIRRORで反転させると作業時間を大幅に短縮できる。


    ⑥ ARRAY(AR)——配列コピーする

    図形を規則的に並べてコピーするコマンド。

    穴ピッチの繰り返し形状や、フレームのパターン配置などに使う。

    矩形配列(行・列で並べる)と円形配列(中心点を軸に回転配置)の2種類を覚えておく。


    ⑦ HATCH(H)——断面ハッチングを入れる

    断面図のハッチングを入れるコマンド。

    囲まれた領域を指定するだけで自動でハッチングが入る。

    ハッチングのパターンと角度・スケールは、現場のルールに合わせて設定する。


    ⑧ DIM系コマンド——寸法を記入する

    寸法記入には複数のコマンドがある。

    コマンド 用途
    DIMLINEAR 水平・垂直の寸法線
    DIMALIGNED 斜め方向の寸法線
    DIMRADIUS 半径寸法
    DIMDIAMETER 直径寸法
    DIMANGULAR 角度寸法

    最初はDIMLINEARとDIMRADIUSから覚えると実務に役立つ。


    ⑨ LAYER(LA)——レイヤーを管理する

    AutoCADのレイヤー管理は、図面の整理において非常に重要だ。

    線種・色・表示/非表示をレイヤーで切り替えることで、複雑な図面でも編集しやすくなる。

    現場ではレイヤーのルールが決まっていることが多い。

    最初に「どのレイヤーに何を描くか」を確認してから作業を始める。


    ⑩ PLOT(印刷)——印刷・PDF出力する

    PLOTコマンドで印刷ダイアログを開く。

    用紙サイズ・縮尺・印刷範囲を設定してから出力する。

    PDF出力も同じPLOTコマンドから行える。

    プリンターの選択で「DWG To PDF.pc3」を選ぶとPDFが作成される。


    ショートカットキーの重要性

    AutoCADを速く使うには、コマンドのショートカット(エイリアス)を体で覚えることが欠かせない。

    よく使うショートカットをまとめる。

    ショートカット コマンド 操作
    L LINE 線を引く
    C CIRCLE 円を描く
    TR TRIM 切り取り
    O OFFSET オフセット
    MI MIRROR 鏡面コピー
    CO COPY コピー
    M MOVE 移動
    E ERASE 消去
    Z+E ZOOM EXTENTS 全体表示
    Ctrl+Z UNDO 直前の操作を取り消す

    これらを覚えるだけで、マウス操作だけより体感で1.5倍以上の速度になる。


    まとめ

    コマンド 操作 最初に覚えるポイント
    LINE(L) 線を引く 相対座標入力で正確な寸法を指定
    CIRCLE(C) 円を描く 中心点+半径の基本操作から
    TRIM(TR) 切り取り 境界線を選んでから切り取り部分を指定
    OFFSET(O) 平行線 距離を入力して側をクリック
    MIRROR(MI) 反転コピー 対称形状の作図時間を半減
    ARRAY(AR) 配列コピー 繰り返し形状に使う
    HATCH(H) ハッチング 閉じた領域を指定するだけ
    DIM系 寸法記入 DIMLINEAR・DIMRADIUSから
    LAYER(LA) レイヤー管理 現場ルールに従って管理
    PLOT 印刷・PDF 縮尺・用紙サイズを必ず確認

    AutoCADはコマンドを覚えれば覚えるほど速くなるCADだ。

    最初は10コマンドを繰り返し使って体に叩き込む。

    それが「AutoCADを使いこなす」への最短ルートだと実感している。


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