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SolidWorksのアセンブリ設計——CATIAとの違いで押さえるポイント

実務ノウハウ

はじめに

3D CADを使ったアセンブリ設計では、部品同士を「拘束(コンストレイント)」で組み合わせます。

CATIAとSolidWorksはどちらもDassault Systèmes社の製品ですが、アセンブリの操作には違いがあります。

この記事では、CATIAでアセンブリを使っていた設計者向けに、SolidWorksとの違いを中心に解説します。

アセンブリの基本概念

どちらのCADでも共通の概念:

アセンブリ = 複数の部品ファイルを「参照」して組み合わせたもの

重要:

アセンブリファイルは部品データを「持っていない」

部品ファイルへのリンク(参照)を持っている

→ 部品ファイルを移動・削除するとアセンブリが壊れる

拘束(マテ)の対応関係

機能 CATIA SolidWorks

面同士を一致 Coincidence Coincident(合致)

面同士の平行 Parallelism Parallel(平行)

面同士を垂直 Perpendicularity Perpendicular(垂直)

軸同士を一致 Coincidence(軸) Coincident(軸)

距離を固定 Offset Distance(距離)

角度を固定 Angle Angle(角度)

完全固定 Fix Component Fixed(固定)

SolidWorksでは拘束を「メイト(Mate)」と呼びます。

SolidWorksのアセンブリ操作

【部品を追加する】

1. Insert → Component → Existing Part/Assembly

2. ファイルを選択

3. アセンブリ空間でクリックして配置

【メイト(拘束)を追加する】

1. Insert → Mate(またはツールバーのMateアイコン)

2. 拘束したい面・辺・軸を2つ選択

3. メイトの種類を選択してOK

【CATIAとの違い①:メイトのダイアログ】

CATIAは拘束ごとにコマンドが分かれているが

SolidWorksはMateコマンド1つで全種類の拘束を選べる

→ まずMateを起動してから種類を選ぶ流れ

自由度(DOF)の確認

【CATIAの場合】

右クリック → Component → Degrees of Freedom で確認

【SolidWorksの場合】

部品アイコンの前の記号で確認できる:

(固定):Fの記号 → 完全に固定されている

(?) :アンダー定義(自由度が残っている)

(+) :オーバー定義(拘束が多すぎる)

(記号なし):完全定義

アンダー定義の部品は意図せず動くことがあるため、使用目的(スライド・回転させたいのか、固定したいのか)を明確にした上で拘束を追加します。

干渉チェック

【SolidWorksの干渉チェック手順】

1. Evaluate(評価)タブ → Interference Detection

2. 「Calculate(計算)」ボタンをクリック

3. 干渉している部品ペアが一覧表示される

4. 一覧をクリックすると干渉箇所がハイライトされる

【CATIAとの違い】

CATIAは Analyze → Clash

SolidWorksは Evaluate → Interference Detection

→ 名称と場所が違うだけで、操作の流れは類似

大型アセンブリの軽量化

部品点数が多いアセンブリは動作が重くなります。

SolidWorksには軽量表示モードがあります。

【Lightweight(軽量化)モード】

File → Open でファイルを選ぶとき

→ 「Load Lightweight」を選択

または、アセンブリ上で右クリック → Set to Lightweight

軽量モードでは:

・ビジュアルは表示されるが、フィーチャーは読み込まない

・干渉チェックや測定は制限される

・編集が必要な部品だけ「Resolved(フル解決)」に戻す

アセンブリ設計でよくある失敗

失敗①:部品ファイルを移動したらアセンブリが壊れた

→ 部品ファイルは移動・リネームしない

→ 移動が必要な場合はSolidWorksの「Pack and Go」機能で

アセンブリごと正しくコピーする

失敗②:拘束を追加しても部品が動く

→ 自由度が残っている(アンダー定義)

→ Insert → Mate で足りない拘束を追加する

失敗③:拘束を追加したらエラーが出た(オーバー定義)

→ 既存の拘束と矛盾する新しい拘束を追加した

→ FeatureManagerでエラーの出ているMateを確認・削除する

失敗④:アセンブリを開くのに時間がかかる

→ Lightweight モードで開く

→ 大型アセンブリは必要な部品だけ開く(サブアセンブリを活用する)

まとめ:SolidWorksアセンブリの要点

□ 拘束はすべて「Insert → Mate」から行う(CATIAは種類ごとにコマンドが別)

□ 部品アイコンの記号で自由度の状態を確認できる

□ 干渉チェックは「Evaluate → Interference Detection」

□ 大型アセンブリはLightweightモードで開く

□ 部品ファイルの移動・リネームは「Pack and Go」で行う

SolidWorksとCATIAのアセンブリ設計、何が違うか

両者は同じパラメトリック3D CADですが、アセンブリ設計の思想が異なります。

CATIA:トップダウン設計(製品全体→サブアセンブリ→部品)が強い。大規模アセンブリ・コンテキスト設計に向く。一方、ファイル管理と参照リンクが複雑で習得コストが高い。

SolidWorks:ボトムアップ設計(部品→組み立て)に最適化。直感的なインターフェース、軽快なレスポンス、豊富な3rdパーティアドインが強み。中小規模の装置・治具設計に最も向く。

SolidWorksアセンブリで押さえるべき5つの基本

  1. 合致(Mate)の種類:一致・平行・同心・距離・角度。最初の固定部品から順に拘束。
  2. サブアセンブリ化:部品数が多くなったらサブアセンブリにまとめると、ツリーが整理され再生成も早い。
  3. 表示設定(Display State):表示パターンを複数保存して、検討用と発表用を使い分け。
  4. 干渉チェック:完成図にする前に必ず干渉確認。
  5. 分解図(Exploded View):組立図用に分解状態を保存しておく。

よくある失敗パターン

① 過剰な合致:1部品に5つも6つも合致をつけると、修正時に問題が連鎖する。最小限で固定。

② 大きいアセンブリで全部品を一度に表示:レスポンスが急激に落ちる。大規模アセンブリの管理術を参照。

③ パーツ位置を絶対座標で固定:意図せず動かなくなる。基準部品から相対拘束で組む。

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