はじめに
先輩設計者の知識は、書籍や規格書には載っていない現場の経験・判断基準・ノウハウが詰まっています。
しかし「質問の仕方が悪い」と、表面的な答えしか返ってこないことがあります。
この記事では、先輩から最大限に学べる質問の仕方を解説します。
「答えしか得られない質問」と「考え方が学べる質問」
答えだけ得る質問(悪い例):
「この材料は何を使えばいいですか?」
→ 「S45Cでいいよ」で終わる
考え方が学べる質問(良い例):
「この部品の材料をS45Cで考えているのですが、
この用途で他に検討すべき材料はありますか?
その場合、どのような観点で判断するとよいですか?」
違い:
・自分の考えを先に示している(「S45Cで考えている」)
→ 先輩が「何が分かっていて、何が分からないか」を把握できる
→ 「的外れな答え」を返されにくくなる
・「なぜ・どのように」まで聞いている
→ 答えだけでなく判断基準が学べる
良い質問の3つの要素
要素①:自分の現状認識を先に伝える
「今、○○のように理解していますが…」
「○○の方向で考えているのですが…」
→ 先輩は「どこから説明すべきか」が分かる
→ 的外れな基礎説明を省いてもらえる
要素②:「なぜ」と「どのように判断するか」を聞く
「なぜそうするのですか?」
「このような場合、どのように判断するとよいですか?」
→ 答えだけでなく「判断の視点・考え方」が学べる
→ 次に同じ種類の問題が出たとき自分で考えられるようになる
要素③:聞いた後に自分の言葉で確認する
「つまり、○○という理解でよいでしょうか?」
「この考え方は、△△のような場合にも使えますか?」
→ 理解が正しいかを確認できる
→ 「分かった気になっていただけ」を防げる
「先輩の時間を大切にする」質問の仕方
先輩に気持ちよく答えてもらうための工夫:
①まず自分で調べてから聞く
→ JIS・カタログ・教科書で調べられることは先に調べる
→ 「自分で調べたところ○○でした。追加で確認したいことがあります」
と言えると先輩の印象が良くなる
②「いつまでに分かれば良いか」を伝える
→ 「今日中に確認しないと作業が進まない」
「今週中でいいのでいつかご都合が良いときに」
状況に応じて緊急度を伝える
③まとめて聞く
→ 細切れに何度も声をかけるより
「質問が3つあるのですが、今よいですか?」と
まとめて時間をもらう方が親切
先輩の仕事から学ぶ「観察」の習慣
質問だけが学びではない。
先輩の図面を「なぜそうなっているか」を考えながら読む:
→ 「なぜこの公差か」「なぜこの断面を切るのか」
→ 分からなければ質問する
先輩が設計変更・修正をしているとき:
→ 「なぜこの設計を変えたのか」を後から質問する
→ 「問題が起きてから修正する」経験が凝縮されている
先輩の仕事の流れを観察する:
→ 何を先に確認し、どこで判断を止めるか
→ 「暗黙の仕事の順序」が見えてくる
→ 「先輩の仕事を教材にする」という意識を持つと
日常の仕事が学びの場に変わる
*設計×現場ラボ|機械設計の実務知識を、現場目線で発信しています。*



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