はじめに
設計変更は、現場で当たり前に発生するものです。
しかし、同じ種類の設計変更が繰り返し発生しているとすれば、それは「根本原因」が解決されていないサインです。
この記事では、設計変更の「管理(漏れなくこなす)」から一歩進んで、「なぜ変更が発生したか」を掘り下げて次に活かす考え方を解説します。
設計変更の「4つの発生源」
まず、設計変更がなぜ起きるかを分類します。
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発生源①:仕様の変化
依頼者(客先・社内)の要求が変わった
例:「やっぱりサイズを変えたい」「機能を追加したい」
→ 設計者側のミスではない / 仕様確定プロセスの問題
発生源②:設計ミス
設計者が計算・判断を誤った
例:強度不足、寸法の見落とし、公差設定ミス
→ 設計プロセスの問題
発生源③:情報の伝達ミス
要求が正確に設計者に伝わっていなかった
例:「口頭で言ったはずなのに図面に反映されていない」
→ コミュニケーションのプロセスの問題
発生源④:知識・経験の不足
加工方法・材料特性・規格の理解不足から来る設計ミス
例:「その加工方法では作れない形状だった」
→ 個人の知識補強と、レビュー体制の問題
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「なぜなぜ分析」で根本原因を探る
設計変更が発生したとき、「5回のなぜ」を問います。
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【事例:穴径の設計変更】
変更内容:取り付け穴径を φ6 から φ8 に変更
なぜ①:なぜ穴径を変更する必要があったか?
→ φ6のボルトでは強度が不足していたから
なぜ②:なぜ強度が不足していたか?
→ ボルト締結の強度計算をしていなかったから
なぜ③:なぜ計算をしていなかったか?
→ 「前回の設計と同じだから大丈夫」と判断したから
なぜ④:なぜ前回と同じと判断できると思ったか?
→ 荷重条件が変わっていたが、確認しなかったから
なぜ⑤:なぜ荷重条件の確認をしなかったか?
→ 設計変更時に「変わった条件」を洗い出す習慣がなかったから
【根本原因】
設計変更時に、変化した設計条件を洗い出す習慣・チェック項目がない
【対策】
設計変更チェックリストに「設計条件の変化確認」を追加する
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根本原因別の対策パターン
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【仕様の変化が原因の場合】
対策の方向:仕様確定のプロセスを改善する
□ 設計開始前に仕様書を作り、依頼者の確認・承認を取る
□ 「仕様変更を受ける窓口と手順」を決める
□ 仕様変更の影響範囲(コスト・スケジュール)を依頼者に明示する
【設計ミスが原因の場合】
対策の方向:設計チェックを強化する
□ 同種のミスをチェックリストに追加する
□ 計算書を作成して根拠を記録する
□ 第三者レビュー(先輩・他設計者)を入れる
【情報伝達ミスが原因の場合】
対策の方向:コミュニケーションの記録化
□ 口頭での指示を受けたらメモして「確認メール」を送る
□ 変更指示は書面(メール・議事録)でもらう習慣をつける
【知識不足が原因の場合】
対策の方向:知識補強とレビュー体制
□ 該当分野の知識をインプットする
□ 専門知識が必要な部分は詳しい人にレビューを依頼する
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設計変更記録ノートの活用
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【設計変更記録ノートの書き方】
変更内容:_______________
発生日:_______________
変更理由:_______________
「なぜ発生したか」(3〜5回のなぜ):
なぜ①:
なぜ②:
なぜ③:
根本原因:_______________
対策(次に同じことを防ぐための行動):_______________
チェックリストへの追加:□した / □不要
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このノートを続けると、自分がよく犯すミスのパターンが見えてきます。
パターンが見えれば、狙い打ちで改善できます。
まとめ
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設計変更を「処理する」だけでは、同じ変更が繰り返される。
「なぜ発生したか」を掘り下げることで:
□ 同種の変更が減る
□ 自分の弱点が明確になる
□ 設計の「精度」が積み上がっていく
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*設計×現場ラボ|機械設計の実務知識を、現場目線で発信しています。*



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