はじめに
個人事業主として機械設計業を続けてきた中で、会計ソフトは何度か乗り換えを経験している。
最初は表計算ソフトで手入力し、次に無償の会計ソフト、そして有償のクラウド会計ソフトへと移行した。
今の主流はクラウド会計ソフトで、特に「freee(フリー)」と「マネーフォワード クラウド確定申告」の2つが個人事業主向けのシェアで双璧をなしている。
どちらを選ぶかは、使う人の経験値や作業スタイルによって変わる。
この記事では、機械設計者・個人事業主の視点で両ソフトを比較する。
簿記の専門家ではなく、設計の現場で20年以上確定申告をやってきた実務者としての比較だ。
基本プランと料金の比較
まず料金から確認する。どちらも無料プランはなく、有料プランが前提だ。
| 項目 | freee | マネーフォワード クラウド確定申告 |
|---|---|---|
| スタータープラン | 月払い約1,980円(年払いあり) | 月払い約1,078円(年払いあり) |
| 主な機能 | 確定申告・記帳・請求書作成 | 確定申告・記帳 |
| 無料トライアル | あり | あり |
価格だけで見ると、マネーフォワードのほうがやや安い。
ただし機能の差もあるため、価格だけで判断しない方がいい。
5つの観点で比較する
① 銀行・クレジットカード連携
どちらのソフトも、主要な銀行・クレジットカードと自動連携できる。
取引明細が自動で取り込まれるため、手入力の手間が大幅に減る。
| 比較項目 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| 連携できる金融機関数 | 多い | 多い(僅差) |
| 自動仕訳の精度 | 学習機能あり・徐々に精度が上がる | 学習機能あり |
| 連携の安定性 | 概ね安定 | 概ね安定 |
どちらも大手銀行・ネット銀行・主要クレジットカードは対応している。
地方の信用金庫や一部の地銀では連携できないケースもあるため、使っている金融機関が対応しているか事前に確認する。
② 確定申告書の作成
確定申告書(青色申告決算書・確定申告書B)を自動作成できる機能は、どちらも備えている。
| 比較項目 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| 青色申告対応 | あり(65万円控除に対応) | あり(65万円控除に対応) |
| e-Tax対応 | あり | あり |
| 申告書の作り方 | ウィザード形式(質問に答える) | 帳簿ベース(入力データから自動生成) |
freeeの特徴:ウィザード形式で質問に答えながら進めるため、簿記の知識がなくても操作しやすい。
「貸方・借方」という概念を意識させずに入力できる設計になっている。
マネーフォワードの特徴:帳簿・仕訳ベースの操作感で、ある程度簿記を知っている人には直感的だ。
逆に簿記に馴染みがない場合は、最初に少し戸惑うことがある。
③ スマートフォンアプリ
外出先でレシートを撮影して経費入力する使い方では、スマホアプリの使いやすさが重要になる。
| 比較項目 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| アプリの評価(参考) | 高め | 高め |
| レシート撮影入力 | あり | あり |
| 操作感 | シンプル・直感的 | 機能が多い |
スマホでの使い勝手は個人差があるため、両方の無料トライアルで実際に触ってみることをすすめる。
④ 請求書作成機能
機械設計のフリーランスでは、クライアントへの請求書発行も必要になる。
| 比較項目 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| 請求書作成 | スタータープランに含む | 別プランが必要な場合あり |
| インボイス対応 | あり | あり |
freeeは請求書作成が基本プランに含まれており、確定申告と請求書管理を一元化したい場合に向いている。
マネーフォワードは「マネーフォワード クラウド請求書」が別サービスになっており、用途に応じて使い分ける形だ。
⑤ サポート体制
困ったときに頼れるサポートがあるかどうかは、特に最初の申告時に重要だ。
| 比較項目 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| チャットサポート | あり | あり |
| 電話サポート | プランによる | プランによる |
| ヘルプコンテンツ | 充実 | 充実 |
| 税理士紹介サービス | あり | あり |
どちらもヘルプコンテンツは充実しており、基本的な疑問はドキュメントで解決できることが多い。
どちらが向いているか
私が両方を試した上での判断をまとめる。
| タイプ | 向いているソフト |
|---|---|
| 簿記の知識がない・会計が初めて | freee |
| Excelや帳簿に慣れたPC上級者 | マネーフォワード |
| 請求書・確定申告をひとつのソフトで完結させたい | freee |
| コストを抑えつつ基本機能をしっかり使いたい | マネーフォワード |
| スマホ中心で入力したい | どちらも対応・要試用 |
機械設計者で確定申告が初めてというケースなら、freeeの方が入りやすいと感じている。
ウィザード形式の操作感は、設計のシミュレーション操作とは全く異なる世界だが、順を追って進めれば迷いにくい。
一方で、ある程度の帳簿・会計の経験がある、またはExcelでの管理に慣れているなら、マネーフォワードの方がすっきり使える場面が多い。
まとめ
| 比較観点 | freee | マネーフォワード |
|---|---|---|
| 料金 | やや高め | 比較的安い |
| 初心者向けの操作感 | 優れている | やや難しい |
| 簿記経験者の使い勝手 | 人によっては違和感 | 馴染みやすい |
| 請求書機能 | 基本プランに含む | 別サービス |
| 銀行連携 | 充実 | 充実 |
どちらも無料トライアルがあるため、まず両方を触ってみることをすすめる。
インターフェースの感触は使ってみないと分からない。
自分が「続けやすい」と感じる方を選ぶのが、長期的に見て正解だと思っている。
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