はじめに
機械設計の仕事をしていると、「この材料のJISは何番?」「公差のJISはどれを見ればいい?」という場面が毎日のように出てきます。
JIS規格は設計の「根拠」になるものですが、「どこにあるか」「どう読めばいいか」が分からないと、毎回先輩に聞くことになります。
この記事では、機械設計者が現場で使うJIS規格の調べ方と読み方を解説します。
機械設計でよく参照するJIS規格
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【材料系】
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材(SS400など)
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材(S45Cなど)
JIS G 4303 ステンレス鋼棒(SUS304など)
JIS H 4000 アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条(A5052など)
【公差・はめあい系】
JIS B 0401 製品の幾何特性仕様(GPS)— 長さに関わる公差
JIS B 0403 鋳造品の寸法公差
JIS B 0420 幾何公差の定義と表示
【ネジ・締結】
JIS B 0205 メートル並目ネジ
JIS B 0209 メートルネジの許容限界寸法
JIS B 1180 六角ボルト
JIS B 1181 六角ナット
【溶接】
JIS Z 3021 溶接記号
【図面・製図】
JIS B 0001 機械製図(製図の基本ルール)
JIS Z 8317 製図 — 寸法記入方法
【表面粗さ】
JIS B 0601 製品の幾何特性仕様(GPS)— 表面性状(Ra・Rz等)
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JIS規格の調べ方
方法①:JIS検索サービス(無料)
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日本産業標準調査会(JISC)のWebサイト:
手順:
1. トップページの「JIS検索」へ
2. JIS番号(例:B 0401)または
キーワード(例:「公差」「ネジ」)で検索
3. 検索結果からJIS番号・タイトルを確認する
4. 「閲覧」ボタンで内容を確認できる(無料閲覧可能なものがある)
※ 全文が無料で閲覧できるものと、購入が必要なものがある
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方法②:社内のJIS規格集を使う
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多くの製造業の現場には、よく使うJIS規格の冊子や
社内共有のPDFが保管されている。
→ 先輩や設計部門の担当者に「どこにありますか?」と確認する
→ 「よく使うJISのリスト」が社内標準としてあることも多い
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方法③:メーカーカタログを使う
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ネジ・軸受・シール等の標準部品メーカーのカタログには
JISの抜粋データが掲載されている。
例:
ミスミ・THK・NSKなどのカタログ
→ 公差・寸法表が整理されて載っており、現場で使いやすい
→ JIS原文より先にカタログを使う方が、
実務上は効率的な場面も多い
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JIS規格の読み方
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【JIS文書の構造(基本)】
①適用範囲:この規格が対象とする範囲
②引用規格:参照している他のJIS
③用語の定義:専門用語の説明
④技術的な本文:数値表・図・計算式など
⑤付属書:補足情報
【読むときのコツ】
最初から全文を読まない
→ 目次で「必要な情報がどこにあるか」を先に確認する
数値表を直接探す
→ 実務では「この寸法に対応する公差の値」が欲しい場合が多い
→ 数値表・付表を直接見つけてから、必要に応じて前後の文脈を読む
単位・条件を確認する
→ 温度・荷重などの適用条件を見落とさない
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よく使うJIS値の記憶ポイント
設計現場では、一部のJIS値は「暗記せずに毎回引く」より
「おおよその値を知っておく」の方が効率的です。
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【覚えておくと便利な値(目安)】
SS400の引張強さ:400〜510 MPa
S45Cの引張強さ(焼きなまし):570 MPa以上
SUS304の引張強さ:520 MPa以上
M6ボルトの呼び径:6mm、ピッチ1.0mm
M8ボルトの呼び径:8mm、ピッチ1.25mm
M10ボルトの呼び径:10mm、ピッチ1.5mm
一般公差(IT6〜IT7):
φ50の場合 H7 = +0.025 / 0
φ50の場合 h6 = 0 / -0.016
→ 正確な値は必ずJISで確認すること
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まとめ
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JIS規格の活用手順:
Step1:どのJIS番号を参照すべきか確認する
→ 先輩・社内標準・メーカーカタログを活用
Step2:JICSのWebサイトまたは社内資料で内容を確認する
Step3:数値表や定義を確認して、設計に反映する
Step4:「JIS○○に基づく」と設計根拠として記録する
設計の根拠をJISで示せると、
→ レビューで根拠を問われたとき自信を持って答えられる
→ 「なんとなくこの数値」からの脱却ができる
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