はじめに
「設計仕様が降りてきてから図面を描く」だけの外部設計者と、仕様策定の段階から意見を出せる外部設計者では、客先での価値も評価も大きく変わります。
外部設計者が上流工程に関わることは、越権行為ではありません。適切なアプローチで関わることで、設計の質が上がり、自分の存在価値も高まります。
「上流」に関わることのメリット
上流工程(仕様策定・コンセプト設計)に関わると:
設計者側のメリット:
・「なぜこの仕様か」が分かり、設計判断の質が上がる
・仕様の矛盾・実現困難な要求に早期に気づける
・後から大きな変更になるリスクが減る
客先側のメリット:
・設計視点からの制約・実現可否が早期に分かる
・試作・量産での手戻りが減る
・「作れる設計」かどうかを上流で確認できる
外部設計者が上流に関わる方法
方法①:仕様確認の段階で積極的に質問する
「この仕様の背景を教えていただけますか?」
「この数値(精度・速度・荷重)の根拠は何でしょうか?」
→ 仕様を受け取る側から確認する側に変わる
→ 矛盾・見落としを設計前に発見できる
方法②:「設計上の制約」を積極的に共有する
「この形状では加工費が大幅に上がります。
代替案はこちらです。ご検討いただけますか?」
→ 仕様に問題があっても黙って進めない
→ コスト・加工性・組立性の観点から価値ある意見を出す
方法③:「こうすれば成立する」という提案を持っていく
→ 問題だけを伝えるのではなく、
「この仕様では難しいが、○○に変えれば実現できます」
という代替提案を持っていく
社員でない設計者として上流に関わる心構え
重要な前提:
「上流に意見を言う」は
「決定権を持とうとする」ではない。
外部設計者のポジション:
→ 設計技術の観点から情報を提供する人
→ 最終決定は客先の設計者・管理者が行う
関わり方の基準:
□ 自分の専門(設計技術・製造知識)の範囲で情報を提供する
□ 決定を迫らず「参考にしてください」スタンスで伝える
□ 社内の政治・人間関係には踏み込まない
□ 設計仕様の問題は窓口担当者を通じて伝える
上流への関わりが評価につながる例
外部設計者として信頼を得やすいパターン:
・「この仕様は試作段階で○○の問題が出る可能性があります」
と事前に指摘し、仕様変更につながった
・「この加工方法では精度が出にくい。
次の工程で研削仕上げを加えることで解決できます」
という提案が採用された
・仕様書に抜けていた環境条件(腐食・温度)を確認し、
材質選定に反映した
→ これらは「図面を描く」だけでは生まれない価値
→ 上流での関わりが外部設計者の専門家としての立場を高める
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